ヒヨケザルの国語テストサルでもなく、飛びもしない。100メートル滑る動物

ヒヨケザルのイラスト
ヒヨケザル英語では Colugo / Flying Lemur

ヒヨケザルの基本データ

分類ヒヨケザル目(この仲間だけで独立している)
すむ場所東南アジアの森
大きさ体長 35〜40センチ
滑空距離100メートルを超えることも
仲間の種類世界に2種類だけ

ヒヨケザルは、名前が二重に間違っている動物です。サルではありません。そして英語名は「空飛ぶキツネザル」ですが、飛びもしません。滑るのです。ただし、その滑空距離は100メートルを超えます。

動物の中でいちばん広い「まく」

ヒヨケザルの体は、首から手足の先、しっぽの先まで、ぐるりと一枚の皮でつながっています。この皮を「皮膜(ひまく)」といいます。

おどろくのは、指と指の間にまで膜があることです。滑空する動物はほかにもいますが、ここまで全身をおおっているのはヒヨケザルだけです。動物の中でいちばん広い膜だといわれます。

広げるとマントのようになり、体の輪郭がほとんど四角く見えます。

飛ぶのではなく、滑る

ヒヨケザルは羽ばたきません。高い木から飛び出し、膜を広げて風を受け、そのまま滑っていきます。グライダーと同じです。

すごいのは、高さがあまり下がらないことです。ふつう滑空する動物は、距離を稼ぐぶん大きく高度を落とします。ヒヨケザルの膜は広いため、少ししか下がらずに遠くまで届きます。

だから木から木へ、地面に降りずに移動し続けられます。地面には天敵が多いので、これは生き延びるうえで大きな意味を持ちます。

一方で、地面を歩くのはとても苦手です。膜が邪魔になって、はうようにしか進めません。空中の名人は、地上ではまったくの不器用なのです。

膜は、ゆりかごにもなる

この膜には、もう一つの使い道があります。赤ちゃんを運ぶことです。

母親は膜をハンモックのように折りたたみ、その中に赤ちゃんを入れて抱えます。そのまま木から木へ滑空します。

赤ちゃんは膜に包まれたまま、空中を移動していくことになります。生まれてしばらくは、この中で守られて育ちます。

移動の道具が、そのまま子育ての道具になっている——ヒヨケザルの膜は、そういう一枚です。

📏 滑空する動物をくらべてみる

ヒヨケザル100メートル以上
ムササビ50メートルほど
モモンガ20〜30メートルほど

ヒヨケザルの滑空距離は、25メートルプール4本ぶん以上です。

ヒヨケザルのテスト(小学3・4年生用)

印刷せずに、この画面のまま読んで答えることもできます。 答えはいちばん下にあります。

読みもの

ヒヨケザルは、東南アジアの森にすむ動物です。名前に『ザル』とつきますが、じつはサルのなかまではありません。ヒヨケザルだけでつくる「ヒヨケザル目」というなかまで、世界に二しゅるいしかいません。目が大きく、夜の暗い森で、葉や花を食べてくらします。昼の間は、木のみきにぴったりはりついたり、えだにぶら下がったりして、じっと休んでいます。

ヒヨケザルのいちばんの特ちょうは、体をぐるりと包む大きな『まく』です。首から手や足の先、しっぽの先まで、体のまわりがぜんぶ皮でつながっています。(  )、指と指の間にもまくがあります。このまくは、動物の中でいちばん広いといわれ、広げるとまるでマントのようです。

このまくを広げて、ヒヨケザルは木から木へと、空を『すべる』ように飛びます。高い木の上からとびおりると、まくが風をうけて、体をふわりと運びます。そのきょりは、なんと百メートルをこえることもあります。羽をはばたかせるわけではないので、グライダーのように、あまり高さを下げずに、遠くの木まで飛んでいけるのです。

このまくは、飛ぶときだけでなく、赤ちゃんを守るのにも役立ちます。お母さんは、まくをハンモックのようにして、その中に赤ちゃんを包んで運びます。木から木へわたるときも、赤ちゃんはまくの中でしっかり守られているのです。サルではないけれど、空をわたり、まくで子どもを守る、それがヒヨケザルなのです。

えらぶ問題

  1. まくについて、正しいものはどれですか?

    • ①足だけについている
    • ②飛ぶときにだけ使う
    • ③動物の中でいちばん広い
  2. 文しょうの(  )に入る言葉はどれですか?

    • ①さらに
    • ②でも
    • ③なぜなら

書く問題

  1. ヒヨケザルは、何のように空をわたりますか?

  2. お母さんは、赤ちゃんをどのように運びますか?

漢字の問題

かん字に直して書きましょう。

  • ⑴たいよう
  • ⑵しあい
  • ⑶みなと
答えを見る

えらぶ問題 ⑴③ ⑵①

書く問題⑴グライダー。 ⑵まくに包んで運ぶ。

漢字⑴太陽 ⑵試合 ⑶港

書く問題は、答えと言葉づかいがちがっても、 意味が合っていれば○にしてあげてください。

プリントの見本

ヒヨケザルのテストをダウンロード(PDF・無料)

A4・横向き/1枚目が問題、2枚目が答えです

ヒヨケザルに会える場所

  • 東南アジアの熱帯林マレーシア・フィリピンなど

    夜行性で、昼は木の幹に張りついています。色が樹皮そっくりなので、目の前にいても気づきません。

  • 日本の滑空する動物日本各地の山林

    ヒヨケザルは日本にいませんが、ムササビやモモンガなら国内の森にいます。夜、木の間を滑る影を見られることがあります。

※ 開館日・時間・料金は変わることがあります。おでかけの前に、 各施設の公式ページでご確認ください。

もっと知りたい ヒヨケザルのこと

いちばん近い仲間は、サルではなく…

遺伝子を調べると、ヒヨケザルにいちばん近いのは霊長類(サルや人間の仲間)だと分かってきました。名前は間違っていますが、まったくの他人でもなかったのです。

歯がくしの形をしている

下の前歯が、細かく分かれてくしのようになっています。毛づくろいや、葉をこそげ取るのに使うと考えられています。

夜行性で、昼は木にはりつく

昼間は木の幹にぴたりと張りつき、体の色を樹皮に紛れさせて休みます。動かないので、すぐそばにいても気づかないことがあります。

👨‍👩‍👧 おうちの方へ

「飛ぶことと滑ることは、どう違うんだろう?」と聞いてみてください。言葉の意味を正確に区別する練習になります。

同じ小学3・4年生用の「戦国合戦シリーズ」もあります。