カワセミの国語テストその青は色ではない。新幹線を変えた鳥

カワセミの基本データ
| 分類 | 鳥類(カワセミ科) |
|---|---|
| すむ場所 | 日本各地の川や池のそば |
| 大きさ | 全長 約17センチ(スズメくらい) |
| 青の正体 | 色素ではなく、羽の構造 |
| 別名 | 飛ぶ宝石 |
カワセミの背中は、宝石のように青く輝きます。ところが、その羽をすりつぶしても青い粉は出てきません。青い色素が入っていないからです。そしてこの鳥のくちばしが、日本の新幹線を静かにしました。
色素のない青
カワセミの青は「構造色」と呼ばれます。羽の表面にある目に見えないほど細かい構造が、特定の色の光だけをはね返しているのです。
そのため、見る角度によって色が変わって見えます。同じ鳥なのに、青く見えたり緑がかって見えたりします。
シャボン玉や、CDの裏側が虹色に見えるのも同じ仕組みです。カワセミは、色をつけずに色を出しているのです。
色素で作った色は、時間がたつと色あせます。構造色は色あせません。カワセミの青が何年たっても鮮やかなのは、そのためです。
水の中と外で、ピントを切りかえる
水と空気では、光の進み方が違います。だから水面の上から見ると、水中の魚は本当の位置とずれて見えます。
カワセミの目は、この問題を解決しています。空気中で見るときと水中で見るときで、目のピントの合わせ方を切りかえられるのです。
飛びこんだ瞬間に切りかえるので、水に入ったあとも魚を見失いません。目を保護する膜も同時に閉じます。
新幹線を静かにしたくちばし
カワセミが水に飛びこむとき、しぶきはほとんど上がりません。細く長く、先のとがったくちばしが、水を切り裂くように入っていくからです。
この形が、日本の新幹線を変えました。
昔の新幹線は、トンネルに入るときに大きな音が出るという問題を抱えていました。空気が押されて、出口で「ドン」という音になるのです。沿線の住民にとっては深刻な騒音でした。
設計者の一人が、鳥を観察する趣味を持っていました。そして、カワセミが水に入るときの静けさに答えを見つけます。新幹線の先頭車両の形は、カワセミのくちばしをまねて作り直されました。
結果、音は小さくなり、そのうえ消費電力も減りました。自然の形をまねて技術に生かすことを「バイオミミクリー」といいます。カワセミは、その代表例です。
📏 カワセミの大きさをくらべてみる
| カワセミ | 全長 約17センチ |
|---|---|
| スズメ | 全長 約14センチ |
| ハト | 全長 約33センチ |
スズメより少し大きいくらいです。近所の川で見かけても、小さすぎて気づかないことがあります。
カワセミのテスト(小学3・4年生用)
印刷せずに、この画面のまま読んで答えることもできます。 答えはいちばん下にあります。
読みもの
カワセミは、川や池のそばでくらす、スズメくらいの小さな鳥です。せなかは宝石のように青くかがやき、おなかはオレンジ色です。その美しさから『飛ぶ宝石』とよばれています。ところが、この青色には、青い色のもとがふくまれていません。羽の細かいつくりが光をはね返して、青く見えているのです。見る向きによって、色が変わって見えることもあります。
カワセミは、水に飛びこんで魚をとる名人です。水の中と外では、光の進み方がちがうので、ふつうなら魚の本当の場所がわかりにくいものです。( )、カワセミの目は、空気中でも水中でも、すばやくピントを合わせられるとくべつなつくりです。だから、水面の上からでも、水の中の魚をしっかりねらえるのです。
カワセミのくちばしは、細く長く、先がとがっています。水に飛びこむとき、この形のおかげで、ほとんど水しぶきを立てずに、しずかに水に入れます。大きな水しぶきが立つと、その音で魚ににげられてしまうからです。
じつは、この『水を音もなく切る』くちばしの形は、新幹線にも生かされています。むかし、新幹線がトンネルに入るとき、大きな音が出てこまっていました。そこで、これをつくる人たちが、カワセミのくちばしをヒントに、車両の先の形を作り直したのです。すると、音はぐっと小さくなりました。美しいだけでなく、人の役にも立つ、それがカワセミなのです。
えらぶ問題
カワセミの羽が青く見えるのは、なぜですか?
- ①青い色のもとがついているから
- ②羽のつくりが光をはね返すから
- ③空の色がうつっているから
文しょうの( )に入る言葉はどれですか?
- ①しかし
- ②だから
- ③たとえば
書く問題
カワセミの目は、どこにピントを合わせられますか?
くちばしの形は、何に生かされていますか?
漢字の問題
かん字に直して書きましょう。
- ⑴びょういん
- ⑵とかい
- ⑶みずうみ
答えを見る
えらぶ問題 ⑴② ⑵①
書く問題⑴空気中でも水中でも。 ⑵新幹線。
漢字⑴病院 ⑵都会 ⑶湖
書く問題は、答えと言葉づかいがちがっても、 意味が合っていれば○にしてあげてください。
プリントの見本

A4サイズ・横向きで印刷してお使いください。
A4・横向き/1枚目が問題、2枚目が答えです
カワセミに会える場所
- 近所の川や公園の池日本各地
きれいな清流だけでなく、都会の川にもいます。水面から少し出た枝や杭に、じっと止まっていることが多い鳥です。
- 鉄道博物館などの新幹線展示各地
500系新幹線の先頭のとがった形は、カワセミのくちばしがヒントになりました。並べて見ると、似ていることに気づきます。
※ 開館日・時間・料金は変わることがあります。おでかけの前に、 各施設の公式ページでご確認ください。
もっと知りたい カワセミのこと
都会の川にもいる
きれいな清流にしかいないと思われがちですが、実際には都市部の川や公園の池でも見られます。小魚がいれば暮らせるからです。青い影が水面を横切ったら、それがカワセミかもしれません。
オスとメスの見分け方
下のくちばしが黒いのがオス、赤いのがメスです。メスは口紅を塗っているようだ、と覚えると分かりやすくなります。
土の壁に穴を掘って巣を作る
木の上ではなく、川岸の土の壁に横穴を掘って卵を産みます。深さは1メートル近くになることもあります。
👨👩👧 おうちの方へ
「鳥のくちばしが、どうして新幹線の役に立つの?」と聞いてみてください。自然をよく見ることが発明につながる、という話につなげられます。