テッポウエビの国語テストはさみで太陽なみの熱を作る、4センチの狙撃手

テッポウエビの基本データ
| 分類 | エビの仲間(テッポウエビ科) |
|---|---|
| すむ場所 | あたたかい海の砂底(日本では本州中部より南) |
| 大きさ | 体長 約4センチ |
| 武器 | 片方だけ大きなはさみ |
| 音の大きさ | 200デシベルを超えることも |
たった4センチのエビが、ジェット機のエンジンに負けない音を出します。しかもそのとき、太陽の表面に近い温度が生まれています。信じられない話ですが、すべて本当のことです。
音を出しているのは、はさみではない
テッポウエビは、片方のはさみだけが体に不つりあいなほど大きく育ちます。このはさみを勢いよく閉じると、「パチン!」という大きな音が鳴ります。
ここで多くの人が誤解します。音は、はさみがぶつかった音ではありません。
はさみを高速で閉じると、水が押し出されて、そのあとに小さな空洞(あわ)ができます。このあわが一瞬でつぶれるときに、衝撃波と音が生まれるのです。はさみは音を出す道具ではなく、あわを作る道具なのです。
あわがつぶれる瞬間、光る
このあわがつぶれるとき、内部の温度は4000度近くまで上がると考えられています。太陽の表面の温度に近い熱さです。
そしてそのとき、ごく小さな光も出ます。あまりに一瞬なので、人の目では見えません。特別な装置で撮影して、はじめて確かめられました。
4センチのエビが、海の底で太陽のかけらのようなものを作っている——そう考えると、この生き物の見え方が変わります。
目の悪いエビと、目のいい魚
これだけの武器を持ちながら、テッポウエビは目がほとんど見えません。
そこで組むのが、ハゼという魚です。テッポウエビは砂に巣穴を掘り、ハゼをそこに住まわせます。ハゼは安全な家をもらえます。
そのかわり、ハゼは見張り役をします。敵が近づくと、しっぽを震わせてエビに知らせるのです。エビはハゼの体にひげを触れさせて、その合図を受け取ります。
掘る力はあるが目が見えないエビと、目はいいが家を作れない魚。おたがいの足りないところを補い合う関係です。生き物の世界では、こうした助け合いを「共生」と呼びます。
📏 テッポウエビの音をくらべてみる
| テッポウエビ | 200デシベル前後 |
|---|---|
| ジェット機のエンジン(近く) | 約130デシベル |
| 電車が通るガード下 | 約100デシベル |
水の中と空気中では測り方が違うので、そのままは比べられません。それでも、けたはずれに大きいことは確かです。潜水艦がこの音を故障と間違えた話も残っています。
テッポウエビのテスト(小学3・4年生用)
印刷せずに、この画面のまま読んで答えることもできます。 答えはいちばん下にあります。
読みもの
テッポウエビは、温かい海の底に住む、四センチほどの小さなエビです。かた方のはさみだけが、体につりあわないほど大きいのが特ちょうです。このはさみをすごい速さでとじると、水がいきおいよくおし出され、まるで鉄ぽうのように『パチン!』という大きな音が鳴りひびきます。その音でえものを気ぜつさせて、つかまえることができるのです。
パチンという音のひみつは、はさみをとじた時にできる水中の小さなあわです。このあわがはじけると、そのときの温度は四千度近くにもなります。これは太陽の表面近くとおなじくらいの熱さで、ピカッと小さな光まで出るのです。
この時の音の大きさもけたはずれで、ジェット機のエンジンにも負けないほど大きく、海の中で『一番うるさい生き物』の一つといわれます。あまりに音が大きいので、せんすいかんがこの音をきかいのこしょうとまちがえたそうです。
すごい力を持っているテッポウエビですが、実は目がよく見えません。( )、たよりになるのが『ハゼ』という魚です。テッポウエビがすなに安全な巣あなをほり、目のよいハゼをそこに住まわせてあげます。ハゼはあぶない時にこの巣あなへにげこむことができ、てきが近づいた時には、ハゼがしっぽをふるわせてテッポウエビにきけんを知らせてくれます。こうしておたがいの足りないところをおぎない合う、海の名コンビなのです。
えらぶ問題
音は、何にたとえられていますか?
- ①ジェット機のエンジン
- ②車のクラクション
- ③人の声
文しょうの( )に入る言葉はどれですか?
- ①しかし
- ②そこで
- ③たとえば
書く問題
テッポウエビは、何をとじて音を出すでしょうか?
ハゼは、どのようにきけんを知らせてくれますか?
漢字の問題
かん字に直して書きましょう。
- ⑴しょうわ
- ⑵べんきょう
- ⑶いた
答えを見る
えらぶ問題 ⑴① ⑵②
書く問題⑴大きなはさみ ⑵しっぽをふるわせて知らせてくれる。
漢字⑴昭和 ⑵勉強 ⑶板
書く問題は、答えと言葉づかいがちがっても、 意味が合っていれば○にしてあげてください。
プリントの見本

A4サイズ・横向きで印刷してお使いください。
A4・横向き/1枚目が問題、2枚目が答えです
テッポウエビに会える場所
- あたたかい海の砂底本州中部より南の海
潮だまりや浅い砂地にいます。姿は見えなくても、耳をすませば「パチッ」という音が聞こえることがあります。
- 水族館のハゼとの共生水槽各地の水族館
ダテハゼなどと一緒の水槽で展示されることがあります。エビが穴を掘り、ハゼが見張る様子を実際に見られます。
※ 開館日・時間・料金は変わることがあります。おでかけの前に、 各施設の公式ページでご確認ください。
もっと知りたい テッポウエビのこと
群れると海がうるさくなる
テッポウエビがたくさんいる場所では、パチパチという音が絶え間なく聞こえます。第二次世界大戦のころ、この音が潜水艦の探知のじゃまになったと記録されています。
はさみは左右どちらでもよい
大きなはさみを失うと、残った小さいほうが大きく育ち、失ったほうには小さなはさみが生えてきます。左右が入れかわるのです。
ハゼとの組み合わせは決まっている
どのハゼとでも組むわけではなく、種類の組み合わせがだいたい決まっています。長い時間をかけて、おたがいに合わせてきたと考えられています。
👨👩👧 おうちの方へ
「エビとハゼは、どちらが得をしていると思う?」と聞いてみてください。「どっちも」と答えられたら、共生という考え方をつかめています。